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【読書感想文】人間失格 / 太宰治著

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【読書感想文】人間失格 / 太宰治著




本日のモデルは、宮部佳奈恵さんです!
宮部さんのブログへはこちらからどうぞ☆

そんなこんなで皆様ごきげんよう、中村です。
本日の読書感想文は、太宰治氏の『人間失格』です。
太宰率高いな!!!好き!!!!!

『人間失格』(にんげんしっかく)は、小説家・太宰治による中編小説。
『ヴィヨンの妻』『走れメロス』『斜陽』に並ぶ太宰の代表作の1つである。
1948年(昭和23年)に雑誌「展望」に、全3話の連載小説として発表された。脱稿は同年5月12日。

他人の前では面白おかしくおどけてみせるばかりで、
本当の自分を誰にもさらけ出す事の出来ない男の人生(幼少期から青年期まで)をその男の視点で描く。
この主人公の名前は、太宰の初期の小説『道化の華』に一度だけ登場している。
戦後の売り上げは、新潮文庫だけでも累計600万部を突破しており、
夏目漱石の『こころ』と何十年にもわたり累計部数を争っている。


<あらすじ>
作中で大庭葉蔵の手記とされるのは「第一の手記」「第二の手記」「第三の手記」であり、
最初の「はしがき」と最後の「あとがき」は、「私」の体験談とされている。
当初、「第一の手記」の原稿では主人公の一人称は「私」であったが、途中で書き直され「自分」となり、
結果的に手記全体にわたりその一人称が使われた。

(ウィキペディアより引用)

全文読みたい方は青空文庫さんへ。
このサイトでは、著作権保護期間の終わった作品や著者・訳者自らが公開に同意したものを掲載しております。
『こころ』も大好きで私が文学部へ進学するキッカケとなった作品なのですが、とりあえず置いておきます。長くなる。



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さてさて。『人間失格』と言えば有名なのは勿論あのフレーズ。

「恥の多い生涯を送って来ました。」

です。
この作品では、主人公である葉蔵の”恥の多い生涯”についてを綴っています。

どんな人生かと言いますと、幼少期は道化を演じ、青年期は心中未遂を図ってその後ヒモで酒浸りの薬中毒となり、最終的には廃人の刻印を打たれ老女中に犯される人生です。人を廃したから『人間失格』。

自分は隣人と、ほとんど会話が出来ません。何を、どう言ったらいいのか、わからないのです。
 そこで考え出したのは、道化でした。
 それは、自分の、人間に対する最後の求愛でした。自分は、人間を極度に恐れていながら、それでいて、人間を、どうしても思い切れなかったらしいのです。そうして自分は、この道化の一線でわずかに人間につながる事が出来たのでした。おもてでは、絶えず笑顔をつくりながらも、内心は必死の、それこそ千番に一番の兼ね合いとでもいうべき危機一髪の、油汗流してのサーヴィスでした。

『人間失格』より引用

作中にて、世の中にある名詞を喜劇(コメ)と悲劇(トラ)に分類するシーンがあります。
上記引用を踏まえた上で、葉蔵の”人生”をコメと捉えるかトラと捉えるかで
葉蔵の見え方・話の見え方が大分変わるのではないかと思います。



葉蔵の人生には、多くの女性が存在します。
その中でも大きな影響を与えた女性の一人がツネ子です。
少し長くなりますが、ツネ子に関する記述をいくつか、順番に抜き出してみました。

秋の、寒い夜でした。自分は、ツネ子(といったと覚えていますが、記憶が薄れ、たしかではありません。
情死の相手の名前をさえ忘れているような自分なのです)に言いつけられたとおりに、


ツネ子もやはり、下宿の娘や、あの女子高等師範と同じく、自分を脅迫するだけの女のように思われ、


ツネ子と自分とは、一夜だけの間柄です。ツネ子は、自分のものではありません。


ツネ子を引き留める程のポジティヴな熱は無い、
ああ、もう、これでおしまいなのだ、とツネ子の不幸に一瞬ハッとしたものの、すぐに自分は水のように素直にあきらめ


所謂俗物の眼から見ると、ツネ子は酔漢のキスにも価いしない、ただ、みすぼらしい、貧乏くさい女だったのでした。


金の無い者どうしの親和(貧富の不和は、陳腐のようでも、やはりドラマの永遠のテーマの一つだと自分は今では思っていますが)そいつが、その親和感が、胸に込み上げて来て、ツネ子がいとしく、生れてこの時はじめて、われから積極的に、微弱ながら恋の心の動くのを自覚しました。


それから、女も休んで、夜明けがた、女の口から「死」という言葉がはじめて出て、
女も人間としての営みに疲れ切っていたようでしたし、


自分がまごついているので、女も立って、


女は、この帯はお店のお友達から借りている帯やから、と言って、帯をほどき、畳んで岩の上に置き、
自分もマントを脱ぎ、同じ所に置いて、一緒に入水しました。
女のひとは、死にました。そうして、自分だけ助かりました。

『人間失格』より引用

お気付きでしょうか?
途中から、葉蔵はツネ子の事を「ツネ子」ではなく「女」と呼んでいます。

最初に「女」と呼んだところについて、もう少し長く抜き出してみます。

 眼が覚めたら、枕もとにツネ子が坐っていました。本所の大工さんの二階の部屋に寝ていたのでした。
「金の切れめが縁の切れめ、なんておっしゃって、冗談かと思うていたら、本気か。来てくれないのだもの。
ややこしい切れめやな。うちが、かせいであげても、だめか」
「だめ」
 それから、女も休んで、夜明けがた、女の口から「死」という言葉がはじめて出て、
女も人間としての営みに疲れ切っていたようでしたし、
また、自分も、世の中への恐怖、わずらわしさ、金、れいの運動、女、学業、考えると、
とてもこの上こらえて生きて行けそうもなく、そのひとの提案に気軽に同意しました。

『人間失格』より引用

葉蔵は「金の無い者どうしの親和」が胸に込み上げて来て、そこから恋の心が動くのを自覚しました。
ところがどっこい、彼女は「自分が稼いであげる」と発言。
そこで「金の無い者どうしの親和」が崩れたというか、簡単に言えば冷めちゃったんでしょうね。

これより後に「死んだツネ子が恋いしく、めそめそ泣いてばかりいました。」と書かれていますが、
ここで言う「ツネ子」は、入水自殺をした「女」とは別物なんだろうな、と思います。
だって葉蔵は「貧乏くさいツネ子だけを、すきだったのですから」。
葉蔵の「ツネ子」は、あのお金の話をされた時点で死んでいたのではないでしょうか?
もしそうならば、葉蔵の言う通り「金の切れめが縁の切れめ」ですね。

さて、この一連はコメかトラか!



完全なる余談ですが。
某ボーカルソフトの楽曲に、人間失格をモチーフとした楽曲があるのですが間奏時の弾幕がとても美しいです。
人間失格内の一節がバーッと流れます。楽しい。
人間失格に限らず、小説を読まずに一節だけを掬い取っても考えさせられる言葉が多いので流し読みだけでも!!

因みに、自分が読んだ事は無いけれど一節だけは強く覚えているのがこちら。

何もしないさきから、僕は駄目だときめてしまうのは、それは怠惰だ。

『みみずく通信』より引用

そんなに長くないので、時間が出来たら読みたいです。どんな流れでこうなったのか!
持ってる短編集に載ってたかなぁ…。いや青空文庫さんに載ってるか。

以上、読書感想文でした!

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